ハッピー動物病院のブログ

大阪府豊中市のハッピー動物病院です。https://www.happy-ac.net

混合ワクチン

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こんばんわ。少しひさびさの更新です。
 
予告通り今回はワクチンの話にしましょうか。
まずはワンちゃんから。
 
ワンちゃんの混合ワクチンには2種~9種と様々な種類があり、それぞれ予防できる病気の種類が違います。ではどう違いどう使い分けているのでしょうか??
 
 
基本となる5種のワクチンから説明します。これには…
 
①ジステンパーウイルス感染症
②パルボウイルス感染症
③犬伝染性肝炎(アデノウイルスⅠ型)
④犬伝染性喉頭気管炎(アデノウイルスⅡ型)
⑤犬パラインフルエンザ感染症
 
が含まれます。ちなみに①~③は死亡率が高く危険な病気なので核になる病気(ワクチン)という意味でコアウイルス(コアワクチン)と言います。
この3種類の中でも①と②は伝染率、発生率共に高いのでブリーダーさん、ペットショップなど仔犬が集まるところではかなり恐れられている病気です。
 
上記の5種にコロナウイルスを加えたものが6種ワクチンです。このコロナウイルスについては成犬になってからは症状が軽微なことも多いため入ってるものと入ってないものの両方があります。
 
同じく上記の5種にレプトスピラの2種類の血清型を加えたものが7種ワクチンです。このレプトスピラという病気は症状も重く、他の感染動物の尿などから感染するため当院では頻繁にお散歩をするような子には7種の接種をお勧めしています。
 
ちなみに5種ワクチンにコロナ、レプトスピラの両方を加えたものが8種ワクチンです。またこれにレプトスピラの血清型を1つ加えた9種ワクチンもあります。
 
動物病院ではこれらの混合ワクチンをそれぞれの子の生活環境などに合わせて選んでいるわけです。基本的にこれらのワクチンは年に1回接種すればほぼ100%病気を防ぐことが出来ますが、子犬の時は複数回接種する必要があります。
 
それは何故でしょう??
 
生まれたての子犬は母犬から免疫をもらって生まれてきます。この免疫を移行抗体と言います。この移行抗体は生後ある程度すると消失します。消失するとその病気に対して無効になってしまいますのでワクチンを接種しないといけません。
 
しかし移行抗体が子犬の体内に沢山あるとワクチンを打っても無効になってしまいますので消失するのを待つ必要があります。ところがワクチンの種類の所で挙げた病気すべてに対してそれぞれ移行抗体が存在し、それぞれ消失する時期が違うのでその全部が消失するのを待っていたのでは子犬があまりに病気に対して無防備になってしまいます。
 
現在では通常生後110日~120日の間で全ての病気の移行抗体が消失すると考えられているため、最終ワクチンをその時期に合わせて3~4回に分けてワクチンを接種するのが通常になっています。
 
子犬を飼っている皆様、早くお散歩デビューしたい気持ちは分かりますが、獣医師が止めるのにはこういった理由があるのです。気持ちはとても分かるので結構心苦しいんですけどね^^;
 
 
…と、ここまで書きましたが思いのほか文字でワクチンの説明をするのが難しいです。分かりにくい文章で申し訳ないです。
 
長くなったのでネコちゃんについては次回にします。おやすみなさい。
 
あ、そうそうハルだいぶ大きくなってゴールデンらしくなってきました。
お散歩デビューはまだまだ先ですが・・。